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Chapter 14: 取り戻した家族

住所の場所は、小さな教会だった。

妻が生前、時々訪れていた場所。

私は知らなかった。

妻がそんな場所に通っていたことも。

そこで誰かと会っていたことも。

翌日。

私は里奈と一緒にその教会を訪れた。

古い建物。

静かな庭。

そこに一人の女性が待っていた。

「〇〇さんですね」

私は頷いた。

「あなたは?」

女性は微笑んだ。

「妻さんから頼まれていました」

胸が締め付けられる。

「妻が?」

女性は小さな箱を渡した。

「あなたに渡すように言われていました」

箱を開ける。

中には手紙。

そして録音機。

私は震える手で再生した。

妻の声。

『あなたへ』

涙が溢れそうになる。

『もしこの声を聞いているなら、きっと大変なことが起きた後でしょう』

妻は続けた。

『私はあなたに嘘をついていました』

私は息を止める。

『でも、それはあなたを傷つけるためではありません』

『あなたを守るためでした』

妻は、翔太や田村、健一の動きを知っていた。

しかし、証拠を集める途中で病気が悪化した。

『私は時間がありませんでした』

『だから最後の希望を里奈に託しました』

私は里奈を見る。

彼女も泣いていた。

『里奈は間違えることがあります』

『でも、心から人を傷つける子ではありません』

妻の言葉。

『どうか、最後まで娘を信じてください』

私は目を閉じた。

妻は最後まで家族を信じていた。

その後。

警察の捜査で全てが明らかになった。

田村。

翔太。

健一。

三人は長期間にわたり、複数の財産詐欺に関わっていた。

私だけではなかった。

多くの人が被害に遭っていた。

翔太は逮捕された。

田村も。

そして健一も。

裁判の日。

私は証言台に立った。

検察官が尋ねる。

「被告人を許せますか」

私は少し考えた。

「許すという言葉は簡単ではありません」

法廷が静まる。

「私は家族を失いました」

「妻を失い」

「弟を失い」

「娘との信頼も失いました」

私は里奈を見る。

「でも」

続けた。

「失ったものだけを見る人生にはしたくありません」

検察官は黙って聞いていた。

「妻は最後まで、憎しみではなく家族を選びました」

私は言った。

「だから私も、前を向きます」

裁判後。

病院へ戻った。

手術の日。

里奈は私の手を握った。

「お父さん」

「何だ」

「怖くない?」

私は少し笑った。

「怖いよ」

「……」

「でも、今は一人じゃない」

里奈は涙を拭いた。

「私、ずっとお父さんの娘でいたい」

私は彼女の手を握り返した。

「なら、これから証明してくれ」

「うん」

手術室へ向かう前。

私は妻の写真を見た。

「行ってくるよ」

心の中で伝えた。

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「君が守った家族を、今度は私が守る」

そして手術が始まった。

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