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Chapter 12: 偽物の真実との戦い

映像を見た瞬間、私は言葉を失った。

そこには確かに私がいた。

莉子に向かって怒鳴っている。

しかし、私は覚えていた。

これは違う。

映像の一部だけを切り取ったものだ。

その前後には、別の会話があった。

「編集されている」

弁護士は頷いた。

「我々もそう考えています」

「でも裁判では?」

「証明する必要があります」

私は画面を見つめた。

美智子は最後の賭けに出ていた。

自分の罪を隠すために、私を悪者にする。

その夜、莉子が私の部屋に来た。

「パパ」

「どうした?」

彼女はスマホを持っていた。

「私、見つけた」

「何を?」

莉子は震える手で画面を見せた。

そこには、葵が撮影していた別の動画。

「これ、美智子さんが消したと思ってた」

再生する。

映像の中で、美智子が誰かと話している。

相手は弁護士。

「この映像を使えば、彼を悪者にできる」

美智子の声。

私は息を止めた。

しかし、さらに驚いたのは次の言葉だった。

「莉子は父親から離れるべき」

「そうすれば、財産の管理も簡単になる」

私は拳を握った。

証拠だった。

本当の証拠。

翌日、裁判所。

美智子は自信満々だった。

「この子は父親から精神的な苦痛を受けています」

彼女の弁護士が言う。

私は黙っていた。

もう怒りで動くつもりはなかった。

真実だけを出す。

私の弁護士が立ち上がった。

「反論があります」

スクリーンに映像が表示された。

美智子の会話。

法廷がざわめいた。

美智子の顔が変わった。

「これは違う!」

彼女は立ち上がった。

「編集よ!」

しかし、専門家の分析結果が提出された。

「この音声と映像は改ざんされていません」

裁判官は静かに資料を見る。

そして、美智子を見る。

「説明してください」

美智子は何も言えなかった。

その瞬間、莉子が立ち上がった。

「私も話したいです」

私は驚いた。

「莉子」

彼女は私を見る。

「もう逃げたくない」

裁判官の許可を得て、莉子は前に出た。

小さな声。

でも、はっきりしていた。

「私はずっと、自分が悪いと思っていました」

「でも違いました」

「私はただ、家族でいたかっただけです」

法廷は静まり返った。

「美智子さんは私に言いました」

莉子は涙をこらえた。

「私はこの家の子じゃないって」

美智子の目が揺れた。

「でも、パパは違いました」

莉子は私を見る。

「パパはずっと私を選んでくれました」

私は涙をこらえた。

その日の判決で、美智子の申し立ては退けられた。

さらに、彼女への捜査は正式に進むことになった。

全て終わったと思った。

しかし、帰宅した夜。

郵便受けに一通の手紙が入っていた。

差出人は不明。

中には一枚の写真。

古い写真だった。

そこには、幼い莉子。

沙織。

そして――

もう一人の人物。

私は写真を見て凍りついた。

裏側には一言だけ書かれていた。

「美智子だけが嘘をついていたと思うな」

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そして、その下に続く名前。

私が一番信じていた人物の名前だった。

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