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Chapter 8: 裏切り者の親友

亮介からのメッセージを見た瞬間、私は電話をかけた。

呼び出し音が鳴る。

一回。

二回。

三回。

しかし、出なかった。

私はもう一度かけた。

今度はすぐに切られた。

その瞬間、怒りよりも悲しみが込み上げた。

何年も信じていた人間が、家族を壊す側にいた。

翌朝、亮介の会社へ向かった。

受付で名前を告げると、彼はすぐに会議室へ現れた。

以前と変わらない姿だった。

整ったスーツ。

落ち着いた表情。

でも、もう私は昔のようには見られなかった。

「久しぶりだな」

亮介は言った。

私は座らなかった。

「なぜだ」

彼は黙った。

「なぜ美智子と組んだ」

亮介はため息をついた。

「そこまで調べたか」

「答えろ」

彼は窓の外を見た。

「お前は昔から変わらないな」

「何が?」

「人を疑わない」

その言葉に怒りが湧いた。

「だから裏切ったのか?」

亮介はゆっくり振り返った。

「違う」

「じゃあ何だ」

「俺は、お前から奪ったんじゃない」

彼は言った。

「お前が持っていたものを取り戻そうとしただけだ」

意味が分からなかった。

「何を言っている」

亮介は机の引き出しから古い書類を出した。

「これを見ろ」

私は受け取った。

そこには、私の父親の名前があった。

「これは……」

「お前の家の財産記録だ」

亮介は言った。

「昔から、お前の家には問題があった」

私は眉をひそめた。

「だからって、俺の家族を壊す理由にはならない」

亮介の表情が変わった。

「家族?」

彼は苦笑した。

「お前はまだそう思っているのか」

「何?」

「沙織は全部知っていた」

私は固まった。

「何を?」

亮介は低い声で言った。

「莉子の出生について」

頭が真っ白になった。

「……何を言っている?」

「聞いていないのか?」

亮介は続けた。

「沙織は亡くなる前、莉子について調べていた」

私は椅子に手を置いた。

「嘘だ」

「そう思うなら、沙織の手紙を最後まで読め」

その言葉が胸に刺さった。

私は家に戻ると、すぐに沙織の手紙を探した。

最後のページ。

まだ読んでいなかった部分。

震える手で開く。

そこには、衝撃的な文章があった。

「あなたには言えなかったことがあります」

「莉子の出生について」

私は息を止めた。

「でも、これはあなたへの裏切りではありません」

「私は真実を話す準備をしていました」

その下には、一つの名前。

そして日付。

私は何度も読み返した。

その名前は――

亮介だった。

その夜、私は眠れなかった。

莉子にどう話せばいいのか分からなかった。

彼女はすでに十分傷ついている。

さらに秘密を背負わせるのか。

翌朝。

莉子が私の部屋に来た。

「パパ」

「どうした?」

彼女は少し迷ってから言った。

「昨日、聞こえた」

私は黙った。

「ママの手紙のこと」

私は息を止めた。

「莉子……」

彼女は首を振った。

「大丈夫」

でも、その目には不安があった。

「私、知りたい」

「何を?」

「本当の私のこと」

その時、玄関のベルが鳴った。

開けると、そこに立っていたのは亮介だった。

彼は一枚の封筒を持っていた。

「これを渡すために来た」

私は警戒した。

「何だ」

亮介は莉子を見る。

「これは、君のお母さんが最後に残したものだ」

莉子が近づいた。

封筒には、莉子の名前。

しかし、その下にはもう一つの名前が書かれていた。

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「父親へ」

私は息を止めた。

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